負ける、ということを空想してみたことがあったなと思い出したのは、太陽が一段と活動を強める時間のことだ。
住職による読経は午前の涼しいうちに終え、その後は通夜という名の栄の誕生日を祝う会になった。
誕生日祝い。遅れている親族の到着を待たなかったのは厳しい暑さも理由の一つにはなるが、今日が栄の誕生日だったからで、ほかにも一族として大きな節目を乗り越えた翌日だったからだ。
みんなで祝って、永遠の眠りについた栄を囲んだ。
佳主馬は頃合いを見計らって、企業からのメールに返信をしなくてはならないと言って納戸に戻っていた。
誕生日祝いを終えた後の騒ぎに混ざる気にはなれなかった。
正午も過ぎ、空気も十分熱されている。さすがにこの時間になると、他の部屋と比べて涼しいとはいえ、熱を帯びた空気が篭ってくる。
少しでも涼をとるべく扉は閉じていない。
特に集中したい事柄があるわけでもないので、ヘッドフォンはケーブルを丸めて机の隅に置いている。装着すると暑いのだ。余計なものは省くに限る。
耳を遮るものがなにもない。名古屋とは違う種類の蝉の鳴き声も、いつまでも絶えない弔問客のざわつきも、遅れて到着した親族が連れてきた幼い子どもと真悟たちが合流してパワーアップしたはしゃいでいる声も、全部、聞くともなしに聞いていた。
ここは少し奥まったところにあるからあまり人は来ない。佳主馬も人好きのする愛嬌ある性格をしていないし、赤ん坊のころから知っている親族たちは、ほどよい距離を取ってくれる。
勝負に敗れたら、どうなるのか。
初めてベルトを身に着けた時は高揚感と達成感で考え付きもしなかった。
けれどそれもしばらくすれば落ち着く。二回目はまた勝てた。三度目も地位を守れた。では、次は?
マーシャルアーツは競技だ。戦って勝つことが好きならば、同じ条件として負けることもあると知っている。生涯不敗だなんて夢物語だ。
事実、キングになるまでは佳主馬も負けなしというわけではない。
だから、頭の中で餅を描く。
決して面白くのないたとえ話だ。
負けたらどうなるんだろう。
勝つことが出来なかった場合、どうするのだろう。
正しい答えを望めなさそうな疑問は少しばかりの恐れを抱かせる。つまり暗闇を覗いて何がいるのだろうと思っているのと変わりがない。深淵の先にいるものを探ろうとすると、それもまたこちらを探りかえしている。向き合いたくなかった。
誰からの挑戦も受け付けるというセリフに嘘はない。
マーシャルアーツの広告塔としてキングカズマはプロデュースされていて、そこに佳主馬の意志の確認はもちろんあったけれど、方向性を決めるのは運営チームだった。
公式戦と呼ばれるトーナメントでキングの座が決まる。その挑戦権は等しく皆にあった。ただし、あまりにもかけ離れた実力では勝負にもならないからふるいにかけられる為の勝ち抜き戦も開催されていたし、または、マーシャルアーツランキング上位者での戦いになる場合もあった。
キングという役職はつまるところ、公式マスコットだ。よって、年間を通じてスケジュールされている。誰がキングになったとしても、それに大きな変化はない。
ディスプレイに表示しているのはメーラーと複数のニュースサイトだ。一気に見ることが出来るよう、ウィンドウをいくつか開いている。外部のコミュニティサイトではニュースの下部にコメント欄があって、オズに接続できないままであろう人々がそこに様々な考えを書き込んでいた。
ぼんやりと右手に握るマウスの動きに合わせてカーソルが画面の中をうろうろと彷徨い、その動きに合わせて左下にて座っているカズマが目で追いかけていた。
チャンピオンベルトは行方不明のままである。ラブマシーンを倒したのだからベルトの権利を取り返したと考えていたのだが、そうでもなかったようだ。
カジノステージでラブマシーンに勝利した夏希にもしかしてベルトが渡ったのかとも思って尋ねてみたが、望んだ答えではなかった。
そもそも、健二が提案した対決方法はマーシャルアーツではない。ベルトはあくまでもマーシャルアーツのチャンピオンを指すものだから夏希が所持していなくて当たり前といえばそうだ。
佳主馬がラブマシーンを殴り飛ばし、健二がパスワードを入力し制御を失っていた宇宙船に疑似信号を送り、落下場所を陣内家から外したとはいえポイントは目の前だ。その衝撃で一度、カズマが操作していたパソコンは電源を消失してオズと切断されていた。すぐに接続し直さなかったので運営チームがアイテムを回収したのかもしれない。よしんばアイテムロストだったとしてもオズの混乱は収まりつつあるとはいえ秩序は戻っていないから、いかようにもするだろうし、なんとでもなるだろう。運営側の人間をゲームマスターと呼ぶのは伊達ではないのだ。彼らはデータを作り出すことができると佳主馬もゲームをプログラムするので知っている。
けれど、ベルトが戻ってきたとしても全てがなかったことになるとは欠片にも思ってはいなかった。
佳主馬は負けた。事実だ。
ノートパソコンが発している温度に不快感を覚え、氷が溶けて汗のかいたコップを握りしめる。びしゃりと濡れた。木製の古い机は表面にコーティングがあった名残も見せずに水を吸い込んでいる。滴る水滴を気にせず麦茶を飲む。氷が解けていたせいで味が薄いが、喉を冷たい液体が通り過ぎていった。手のひらも冷たくて気持ちがいい。しかしディスプレイに表示されている文面はそれを台無しにしてくれた。どうにもこうにも対応したくなくなるものだが、そうもいかない。
ぱしぱしと瞬きをする。画面を長時間見つめるせいで乾きがちになる。
佳主馬の分身である八頭身のウサギは、初めてオズに接続したときに何時間もかけて設定をした佳主馬だけのアバターだ。親しんだウサギの腰に、だがしかし、見慣れたベルトはない。
それを見て、想像はいつか現実になるものだと変に感心をしてしまった。
明日のことが誰にも解らないように、定まらない未来を予期できなかった。
いつかは、未定だ。だから予定はたてられなかった。
いつかの疑問の答えがいまだ。
佳主馬は二つ、予想を立てていた。覗き見た深淵の向こう側に居たのは、想像のなかでしかなかったせいで稚拙な二種類の結末、怪物たち。
スポンサー打切りの連絡を受け取ることは想定内、予定調和だ。しかし、解っていたとしても否定されるものは快いものではない。
ともかく、それで自分が何を思うか、ということが蓋を開けるまで未知数であり、だからこそ二通りの想像をしていた。
契約の打切りに衝撃を覚えるのか否か。それともただ己の力不足を悔やむのか。これら二つは似ているけれど、決定的に違いがある。
スポンサー問題は佳主馬の外面を彩るもので、力不足は内面に提起される問題であるということ。
佳主馬にとって、嫌な怪物はどちらか。そんなの決まっている。けれど、覗いていた怪物がどちらだったのか。それが分からなかった。
メールの文面を見るのは予想していたよりも、きついものだった。
己の力不足を痛感させられるからだ。
同時に、懸念していた契約については自分で驚くほどどうでもいいと思えた。
なるほど。自分のなかで大切にしていたことがはっきりとする。
そして、佳主馬はこれを機に関係する企業との付き合いを見直そうと決めた。
ベルトを喪失したことによるペナルティはお互いに納得済みのことだから文句はない。
しかし、ラブマシーンに勝った途端、手のひらを反してくるのはどうかと思うのだ。佳主馬は自身が不快な思いをしたことに目を瞑ってまで契約の存続を望んではいない。
時折、小さなこの部屋にも風が吹き込む。緑の爽やかさと、人の訪れの多さを伺い知る。
佳主馬がここを根城にしているのは、設備が思いのほか充実していたからだ。電源は多いし、無線も壁にふさがれている納戸にまで十分届いている。狭さからか光源がディスプレイだけのせいかもしれないが、薄暗い納戸は広い屋敷の中にある秘密部屋みたいに思えた。
ひときわ大きく豪快な笑い声は祖父だろう。また誰かが来たらしい。交通機関の混乱はまだ収まってはいないけれど、それにしては親族の集まりは早かった。なにかしら各自で手段を確保してきたらしい。飛行機がダメなら電車で、電車がダメなら車で、といったふうに。
カーソルは遊んだままだが、未読の新着メールは時間の経過とともに増えて行く。これらを確認して分けていく作業が追いつかない。今や契約企業だけではなく、今まで仕事でかかわってきた人たちもメールを送ってきているからだ。
机に頬杖をついて、設定した時間の刻み通りに自動でメールサーバーへ問い合わせる度に増えていくそれを眺めていると、とんとんとんと一定のリズムで誰かが近寄ってくる音が聞こえた。が、まだ遠い。
耳をそばだてて、誰かと推測する。歩き方にも癖がある。子ども達の場合はどたどたと騒々しいし、逆に理一や侘助だとほとんど聞こえない。万理子と理香の音は似通っていて、祖父はあれで足音を消すのも得意だったりする。
負けることを空想していた。
それは人が相手だった場合しか考えていなかった。計算外のことを時にやる人間が相手だった。プログラムされた人工知能と戦うとは思ってもいなかった。けれども、人であろうとなかろうと勝負に負けたという事実は覆せず、プログラムだったというのは言い訳にもならない。
ラブマシーンとの戦いは、ただただ翻弄されただけだ。
思い知らされた。
まだまだ経験則の足りない年であるということを。それが同時に脳の中心を熱くさせたものだったということを。
だけど、戦うことを好きだと公言していた自分としては、もやもやとしているのも事実だ。もっとまわりを見ればよかった。頭に血を上らせた時点で負けていたのだ。自分に。
落ち着いて考えてみて、ラブマシーンと戦えたのは最初の一戦だけ。あの後の精神はまともじゃなかった。判断を誤り続けた結果は当然だ。
思い知ったことはほかにもある。マーシャルアーツの後は必ず一人で反省会をして次に生かすことを見つけ出している。今回の反省会はとくに入念に行った。
大事なのは次に同じことを繰り返さないこと。戦いを選ぶのなら冷静さを持ち続けること。
そうしていれば良かったと素直に思いながら近づくにつれて大きくなっていた音を聞いている。そういえば最後に一番落ち着いていたのはこの人だったなと思った。
止まる気配にカタンという扉の音。手を置いたのだろう。振り返って脳裏の答え合わせだ。
「お兄さん、どうしたの?」
勝率は今では十割になった。それだけ佳主馬も健二に慣れたし、健二もここに良く訪れる。ただ健二の気配を佳主馬は感じるけれど、それに違和感を覚えるようになった。押し寄せてくるような、だからといって押し付けられているようなものでもないのに、酸素が足りなくてくらくらするような感覚に陥る。
「あれ? よく分ったね」
健二の背後にある小窓の格子の向こう側は、午前と変わらぬ青が切り取られているように広がっている。
「まぁ、足音聞こえたし……」
昨日から、見るたびに覚えている違和感は、今も健在だ。こんな人だったのだろうか。そう思ったのは、湧き出た温泉を呆然と見ているのを見た時で、それが頭に焼き付いている。美味く言えないけれど、こんな人だったのかと思ったのだ。
夏希が連れてきた婚約者モドキから、曾祖母が言ったように身内に思えた。また、婚約者という部分が苦々しい。そういうものではないのに、と思って首をかしげる。では、なんだというのか。
健二がどう見えるのかと有り体に言えば、浮き立って見えている。健二にだけ焦点があっている。
納戸の出入り口で立ったままの、小磯健二という人は、こういう人だったのだろうか。全部が全部新しい何かに上書きされていく。
夏希の婚約者でもなく、後輩でもなく、ただの小磯健二だ。
「あ、そっか。あのね、翔太にいがアイス買って来てくれたよ」
朗らかに微笑まれる。なんでもないことのように笑われて落ち着かない。
ふと、自分はどう思われているんだろうと、思った。
呼びにきてくれるほどには親しまれているらしい。なにせ、陣内家では年長者の良きメッセンジャーは子どもたちである。
「ん。待って、パソコン落とす」
笑われると途端に指先が覚束ない錯覚を覚えるが、今まで何度となく繰り返した終了作業に滞りない。いたって平常に見えるはずだ。
「何やってたの?」
「メール見てた。あと、ニュース。オズにはまだ繋げらんないみたい」
「ああ、そうなんだ」
「そういえばお兄さんの携帯は?」
使えなくなったと、ここに文字通り飛び込んできたのは記憶に新しい。その時は佳主馬のエリアに踏み込んできた招かれざる客だった。
「認証エラーのまんまだよ。解除しようにもサポセンとか……事務局パンクしてそうだし。まぁ、あんまり困んないから後でいいよ」
単純に凄い人だと思ったのは、オズのパスワードを一晩で解いたと聞いた時だ。インターネット上を騒がす一因が身近にいることに高揚した。
「ふぅん」
今やほとんどの人が携帯電話を所持していて、片時も手放さない人もいるくらいで確かにそれが使えなくなった時は狼狽えていたのに、もうその順位は低いという。健二の性格を深く語れるほど知っているわけではないけれど、それはまるで繋がりを得ようとしていないみたいだ。
ディスプレイが静かにブラックアウトしたのを見送り、佳主馬は立ち上がる。
健二の待つ扉へ向かおうとして、一度振り返った。これは佳主馬の癖だ。必要なものを忘れて行くと取りに戻ってくるのがめんどくさいのだ。
「お? どしたの?」
「ううん」
納戸は自身の影を認識できる程度に明るい。パソコンのそばのからっぽのコップに気付いた。持ち込んだものは必要じゃなくなり次第にもとの場所に戻すように聖美から言われている。振り返って良かったと取りに戻って歩き出す。二人並んで歩けるくらいの廊下だ。裸足だから板の温度を直に感じる。
ご丁寧にも靴下を履いている健二の音は、だからこそ覚えやすかった。
「翔太にぃどっか行ってたの?」
小さな箱庭のような中庭の脇を通りながら聞いた。陽があたっていた場所だったのか、足の裏がじわりと暖かい。
「あ、ぼくに服を貸してくれるって家に取りに戻ってて。アイスはお土産」
「服?」
「そう。今日は栄さんの誕生日祝いだったからこれでもよかったんだけど、さすがに明日のお葬式は、不味いと思うんだよねぇ」
普段通りの服を着た健二に、ああ、と思った。
今日は陣内家のメンバーは皆、喪服ではなかったし、テレビで見る葬儀で黒を着用していた。今回の通夜は特例だろう。
八月一日は栄の誕生日で、七月三十一日は特別な日になっていて、一番反対をしそうな万理子が率先した。栄が亡くなったことで万理子が当主になり、当主が決めたことならば陣内家はよっぽど理不尽なことでもない限り従う。つまりは、そういうことだ。誰も反対をしなかった。
「ぼくも佳主馬くんみたいに制服あったら良かったんだけど、普段着しか持ってきてないしね〜」
「学校帰りで直だったもん僕」
身軽なタンクトップとショートパンツにすでに着替えている。制服があったのは、終業式を終えて着替えもせずに来たことが幸いしただけだ。
歩きながら前を見て話す健二は佳主馬を見ない。それに安心をする。見られると、なぜだか緊張をする。
だけど、佳主馬は見ていたいから見上げる。柔らかい笑みを穏やかに浮かべていた。そういう顔もするのだと新たにまた刻む。
「お兄さんは」
「うん?」
見下ろされて、不思議そうな顔。『おにいさん』という言葉からも連想される姿そのものに、わずかな不満。
「そんなこと、気にするんだ?」
「え、うーん。やっぱりそうだね。ぼくとかだと、ほら……形が大事なことも多いし」
少し、むっとする。形式を重要視しているみたいだ、まるで。
「形だけあったって仕方ないと思うけど」
「まぁ、それもそうなんだけど」
困ったように笑われて、それ以上は控えた。
台所に近づくと、広間も見える。廊下にはみ出て座っている親族と、中庭と広間を通り過ぎ、コンロを危なくないように隅へ寄せた庭。昼間の長蛇の弔問客は解消されていた。広間にいるのは増えた身内のみだ。
佳主馬たちが来たことに目ざとく気付いたのは、中央の作業台をテーブル代わりに椅子を二つ横に並べて理香とアイスを片手に話し込んでいた直美だった。
「おそーい。もうチビたちがいいのは持ってったわよ」
薄い黄色のアイスをかじりながら理香が頷く。
佳主馬は手に持っていたコップを流しに置いてから二人のそばに寄って行っていった健二のあとにつく。
珍しそうな顔をした健二に直美が椅子をカタンカタンと動かしながら言った。
「あ、健二くんは初めてか。ここの美味しいわよ。手作りだし夏しか売ってないの」
テーブルの上にある小さな発泡スチロールの箱は空けられていた。包みらしきナイロンとドライアイスの冷気。
「人気があるのはミックスフルーツ」
箱の底に片手の数ほどしか残っていないアイスは、木の棒が斜めに刺さっている。棒には味が焼き鏝で印字されている。みかん、りんごにミルク、小豆と桃。
「……もうないけど」
「チビどもが選んだあとだって言ったでしょ。生きることは競争なのよ」
「良いことを言ったふうだけど、あんた手に持ってんのアイスだからね。イチゴアイスだからね」
呆れたように理香が直美に言って、直美はアイスを美味しそうに食べる。
「あ、小豆は母さんが好きだから置いといて」
うん、と頷いて佳主馬は健二に聞く。小豆は言われるまでもなく置いておくつもりだった。
「お兄さんどれにする?」
「あ、えっと、」
「ちなみに僕のおススメはリンゴ」
リンゴはこの辺りでは特産品と言っていいくらいのものだから陣内家ではあまり人気がなかった。加工されたものよりも、果実そのもののほうが好みなんだそうだ。
「じゃあぼくもそれにしよう」
箱に手を入れる健二を見て、わざわざ佳主馬を呼びにきたから残りが少なくなってしまったと気づくが、まぁいいかとも思う。来たのは健二で、佳主馬が呼んだわけではない。
「選んだら冷凍庫にいれといてね」
「はーい」
健二が答える。
箱のままでは嵩張るから中身を取り出して、冷凍庫にしまう。
大きな笑い声が聞こえた。
健二と顔を見合わせてから、発生源の広間を見る。耳をすまさずとも聞こえてくるのは昨日の出来事だ。ご先祖様の話をする時のような言い回しで、万助が語りだしている。機嫌のいいそれはすでにアルコールが入っているのかもしれなかった。
「ああ、さっき佐久のおじさんたち来たからじゃない?」
「さく?」
「うん。親戚。母さんの従兄弟。おじいちゃんの兄弟の子どもだったはず」
そちらへ挨拶へ行くべきか健二は迷ったようだった。佳主馬は思う。
今行ったら、絶対に捕まる。
「ああ、夕飯の時でいいんじゃないかしらね。どうせその時にみんな顔を合わせるし」
同じことを考えたらしい理香が健二に言った。
瞬きを一つして、健二は嬉しそうに笑った。それも佳主馬は見ていた。
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